米国株ベアETFのSPXSとTECSを1年間持っています。当初比60%下落しなお「保険」と開き直り塩漬け中です。
SPXS・TECSとVIX指数、Fear&Greed指数(以下F&G指数)の日々の動きには相関が見られます。VIX指数が下降に転じるときやF&G指数が上昇に転じる時は、恐怖が和らぐと共に株価が底を打ち、SPXS・TECSは売りどきと言えます。逆にVIX指数が上昇に転じるときやF&G指数が下降に転じる時は、恐怖が高まると共に株価が天井を付け、SPXS・TECSは買いどきと言えます。
次に月単位の動きを予想するため、各指数の一年の動きをグラフにしました。
時点 | 2022年 金利・VIX・F&G・SPXS・TECS | 2023年 金利・VIX・F&G・SPXS・TECS |
9月末 | 3.8% 31.6 15 29.5 55.6 | 4.6% 17.5 25 15.8 16.2 |
10月末 | 4.1% 25.9 58 22.7 41.9 | 4.9% 18.1 31 16.9 16.1 |
11月末 | 3.6% 20.6 70 18.7 32.0 | 4.3% 12.9 66 13.2 11.2 |
12月末 | 3.9% 21.7 38 22.3 40.6 |
11月は、昨年も今年も金利は低下、強欲が進み、SPXS、TECSとも下落(株価は上昇)しました。
一方、昨年12月は、金利が再度上昇、恐怖が進み、SPXS、TECSとも上昇(株価は下落)しました。今年12月が昨年と相似で推移するなら、恐怖が進み、SPXS、TECSは上昇する可能性が考えられます。
註1. SPXS、TECS
SPXS, TECSはNY証券取引所に上場するドル建ETFで、S&P銘柄の日々の変動のー3倍の変動率となるように設計されています。
略称 | SPXS | TECS |
名称 | デイリーS&P500ベア3倍ETF | デイリーテクノロジー株ベア3倍ETF |
主な組入銘柄 | S&P500銘柄 | S&Pテクノロジーセレクトセクター銘柄 (Microsoft, Apple, Nvidiaなど) |
経費率 | 0.95% | 0.95% |
変動率連動なのでレンジ相場の場合S&P500は減らなくてもSPXS,TECSは減少します。上手くS&P指数の下落をとらえた場合だけ利益が上がります。その点が上級者向きと言われる所以と思います。
筆者はSPXS、TECSを2022年11月に購入しました。ダウ、NASDAQ、S&P500の三指数は10月の下落以降に上昇中でしたが、米国の利上げも続いていました。
過去3回の利上げ時は政策金利が最高点に達した数ヶ月〜2年後にドットコムバブル崩壊、リーマン危機、コロナ危機と暴落が起きました。今回も、同様に米国株は下落すると予想したからです。
期間 | 始点 | 到達点 | 利上げ後の株価下落・その時点の政策金利 |
1999年6月-2000年5月 | 4.75% | 6.50% | 2000年後半(ドットコムバブル崩壊)・6.50% |
2004年6月-2006年6月 | 1.00% | 5.25% | 2008年9月頃(リーマン危機)・2.00% |
2015年12月-2018年12月 | 0.25% | 2.50% | 2020年3月頃(コロナ危機)・1.75% |
筆者の売買歴です。当初スイング取引で利益を上げたものの、その後保有したまま値下がり中です。
取引 | SPXS取引額 | TECS取引額 | 損益(税前) | SPXS終値 | TECS終値 | VIX | Fear&Greed |
22/11/28買 | $20.07 | $35.58 | $20.52 | $36.63 | 22.21 | 60Greed | |
22/11/30買 | $20.67 | $18.74 | $31.11 | 20.58 | 70Greed | ||
22/12/1 買 | $32.21 | $18.75 | $31.92 | 19.84 | 63Greed | ||
22/12/14買 | $31.61 | $19.88 | $33.14 | 21.29 | 57Greed | ||
22/12/21売 | $22.005 | $38.67 | +$1,473.85 | $21.60 | $37.79 | 20.07 | 38Fear |
22/12/22 買 | $40.10 | $22.54 | $40.64 | 21.97 | 35Fear | ||
22/12/27 買 | $22.50 | $22.46 | $41.74 | 21.65 | 36Fear | ||
23/2/3買 | $27.35 | (含み損)-$5,562 | $17.74 | $26.91 | 18.33 | 76Extreme Greed | |
23/6/12買 | $15.48 | $15.77 | (含み損)-$13,010 | 14.78 | 77Extreme Greed |
註2. VIX指数(恐怖指数)
VIX指数(Volatility Index)はS&P500指数に対する市場のセンチメントを示します。別名、「恐怖指数」とも呼ばれ、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が設定しています。
計算式は筆者には難しいですが、ざっくり「SP500下落を予想する人が増えると指数が高くなる」と理解しています。
VIX指数はS&P500指数について市場が予測する最新のボラティリティを示す。リアルタイムのS&P500指数売買オプション指値の中間値から計算される。
具体的には、市場が今後30日間でS&P指数がどれだけ変動すると考えているか示す。
シカゴ・オプション取引所ホームページから筆者要約
註3. Fear & Greed指数(恐怖・強欲指数)
Fear & Greed指数(Fear & Greed Index)はCNNが設定しています。
Fear & Greed指数は市場動向と株価が適正かを測る目安。指数は、株式市場の動向を示す以下、7つの指標によって計算される。
市場の勢い(Market Momentum) S&P500指数が125日移動平均の上にあればGreed、下にあればFear 株価の強さ(Stock Price Strength) NYSE株で52週の新高値銘柄数と新安値銘柄数の比較 株価の幅 (Stock Price Breadth) McClellan Volume Summation Index。プラスであれば上昇基調、低いまたはマイナスであれば下落基調でFear プット&コールオプション (Put and Call Options プット&コールオプション5日平均。1以上であれば下落基調でFear ボラティリティ (Volatility) VIX指数とその50日平均。VIX指数が上昇していればFear 逃避先需要(Safe Haven Demand) 過去20日の株式と債券の利回り差。債券の方が利回りが良ければFear ジャンク債需要 (Junk Bond Demand) ジャンク債と投資適格債の金利差が近いとGreed それぞれの指標について、通常の変動幅からどれだけ乖離するかによって0を最大の恐怖、100を最大の欲望として点数をつける。
CNN Business Fear&Greed指数より筆者要約
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