AIによる自動化をSaaSで提供
PKSHA TECHNOLOGY(3993, パークシャテクノロジー)はAIによる自然言語処理、データ分析、音声処理、画像処理のサービスを小売、流通、自動車、都市開発、銀行、保険、教育、医療などに提供しています。
2012年に東京大学発のベンチャーとして設立され、機械学習を用いたデータ解析アルゴリズムを開発してきました。2017年に東証マザーズに上場し、M&Aを行ないながら事業を拡大してきています。2022年9月から東証スタンダード市場に市場区分変更となりました。
同社は以下の分野で研究室や企業との共同プロジェクトを通じてアルゴリズムの研究開発を行なっています。
- 音声認識・音声合成モジュール
- 自然言語処理モジュール
- 動画像認識・動画像合成モジュール
- 予測/推論/最適化モジュール
同社ウェブサイトによると、165のアルゴリズムが2,354社のシステムに導入され1日あたり930万人がサービスを利用しています。SaaS(Software as a Service)という形での提供で、ソフト買い切りではなくクラウド型のサブスクリプションサービスです。具体的なサービスの例は以下の通りです。
- 顧客体験向上のための自然言語処理アルゴリズムを生かしたチャット型対話エンジン
- FAQを自動作成し問合せ対応までワンストップで行うクラウドサービス
- 金融機関におけるセキュリティ向上のための不正利用検知システム
- 小売企業が在庫や人員、プライシングを最適化するための需要動向予測システム
- メーカーや卸売業の要望に合わせた最適な棚割作業を自動化するシステム
- 医師による画像診断を補助する画像認識システム など
2021年9月期の決算は増収増益で、売上が87億円、営業利益が7.1億円でした。2022年9月期の会社予想は3Q決算発表時点で、売上が114億円、営業利益が15億円と過去最大の見込みです。
なおIDC Japan株式会社によると、2021年度の国内AIサービス市場規模は2,771億円(対前年26.3%)で、2026年度まで年24%で成長、8,120億円になると予測しています。
取引の経緯
購入(2022/8/10)
2022年3Q決算前の8/10に2,276円で購入しました。筆者が購入時に考えたのは以下の点です。
- 日本の労働力不足が進む中で、サービス業における定型業務を自動化するニーズは高まっていく。
- AIの機械学習には教師データが必要。顧客との接点が増えるほどAIが賢くなる。
- 創業以来増収中2021年9月期が売上過去最大の87億円、2022年9月期も最高額更新見込み
- 社員400人に対し、技術、販売、管理など約40の職種で求人中、成長が感じられる
- 売上利益とも成長中で自己資本比率約80%と財務も健全なのでPERとPBRが高いのは許容できる
- 2017年上場後に8,365円の最高値、2020年に1,319円の最安値、2,300円は安値圏にみえる
8/12発表の2022年9月期第3Q決算は増収増益でした。2022年9月期の会社予想も上記の通り増収増益でした。ただし業績見通しの修正があり、売上は120億円から114億円への下方修正、営業利益は10億円から15億円への情報修正でした。
売上の伸びは鈍化したもののなお、前年比+30%であり、営業益は2.3倍です。それを受けて8/15以降の株価が急落することはないと予想、仮に下落の場合もしばらく様子見で保有するものと判断しました。
様子見:2022年3Q決算発表後(2022/8/27)
実際には、決算発表の翌日8/15に10%急落しました。売上予想の下方修正は失望売りを誘ったようです。損切りせずに持ち続けましたが、その後も回復せず8/26終値が2,067円と更に下落しています。一旦損切りが正解だったようです。
ただし、特に同社の将来性を損なう情報が出ているわけではありません。KPIのARR(Anual Recurring Revenue)は顧客数とともに着実に増えており、今回の3Q決算時点で46億円に達しています。サブスク収入の増加から安定的な成長が期待できます。
5/12の1,687円、7/1の1,791円、8/23の1,987円と安値を切り上げてきており、チャート上は上がり易い状況に見えました。9月の本決算で計画を達成することを期待して持ち続けようと判断しました。
様子見:市場区分変更(2022/9/16)
9/22日付で東証グロース市場から東証スタンダード市場に区分変更になると発表がありました。引き続きプライム市場への区分変更を目指すとのことです。
9/15の終値は1,894円。この2週間緩やかに下落してきていました。より事業規模の大きい銘柄とみられたと考えれば買材料となると考えましたが、結局9/16の終値は1,844円への下落でした。
ただ、チャート上はまだボックス相場とみました。あらかじめ設定した損切りラインを割るまでは引き続き様子見で保有と判断しました。
売却:逆指値成り行き(2022/10/3)
過去数日間1,800円台で揉みあっていましたが、1,772円まで下げ、1,793円で損切りとなりました。終値が1,875円に戻したのは悔しいです。
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